【第25回吉川英治文学新人賞受賞】
引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は――たった1冊の広辞苑!? そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ! 注目の気鋭が放つ清冽な傑作。解説=松浦正人
*第2位「このミステリーがすごい! 2005年版」国内編ベスト10
*第3位 2004年(第1回)本屋大賞
*第4位「週刊文春」2004年ミステリーベスト10/国内部門
*映画『アヒルと鴨のコインロッカー』(2007年/中村義洋監督)原作
伊坂幸太郎
(イサカコウタロウ )1971年千葉県生まれ。2000年、『オーデュボンの祈り』で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビューする。04年、『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、短編「死神の精度」で第57回日本推理作家協会賞、08年には『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞および第21回山本周五郎賞を受賞。ほかの著書に『重力ピエロ』『砂漠』『モダンタイムス』『あるキング』『マリアビートル』『残り全部バケーション』『死神の浮力』『アイネクライネナハトムジーク』『火星に住むつもりかい?』などがある。また14年には『キャプテンサンダーボルト』で阿部和重との合作に挑み話題を呼んだ。