左:伊坂幸太郎先生、右:中村義洋監督(2006年7月11日五反田)
クランクイン会見の模様。左から中村義洋監督、濱田岳、大塚寧々、田村圭生、関めぐみ、瑛太。
(2006年4月18日仙台)

伊坂幸太郎先生より
映画「アヒルと鴨のコインロッカー」によせて
この、『アヒルと鴨のコインロッカー』という作品は、映像にしにくい仕掛けを含んでいるためか、ことあるたびに、「これは映画にはならないですよね」といろいろな方たちから言われました。僕自身もぼんやりとですが、「これを映画にするのは難しいのではないかな」と思っていました。もし、実現するとすれば、相当、強引で、不自然な手法を取るしかないのではないか、と。
けれど、中村監督の考え出したアイディアは、ごく自然で無理のないものでした。「そうか、そうすれば良いのか」と担当者と一緒に驚いたのをよく覚えています。
ですから、もちろん、この映画は、「あの仕掛けをどうやって映像化するのか」という点でも楽しめると思うのですが、脚本を読み、監督と話をし、キャストの説明を受けるにつれて、これはそれ以上に、僕が自分の小説を書く時に気を配った、「ユーモアややり切れなさや不穏さ」を共有してくれる、とてもいい映画になるのではないかな、と思っています。
しかも、仙台オールロケとのことで、自分の知っている街がフィクションの世界に変貌するかのようで、少しそわそわしています。
◎ ◎ ◎

濱田岳 瑛太/関めぐみ 田村圭生/松田龍平/大塚寧々ほか
◎ ◎ ◎
引っ越してきたアパートで、最初に出会ったのは黒猫、次が悪魔めいた長身の美青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ち掛けてきた。彼の標的は――たった一冊の広辞苑。僕は訪問販売の口車に乗せられ、危うく数十万円の教材を買いそうになった実績を持っているが、書店強盗は訪問販売とは訳が違う。しかし決行の夜、あろうことか僕はモデルガンを持って、書店の裏口に立ってしまったのだ! 四散した断片が描き出す物語の全体像は?
*第25回吉川英治新人文学賞受賞
*第1回本屋大賞第3位
*2005年度「このミステリーがすごい!」国内編第2位
◎ ◎ ◎

著者紹介:伊坂幸太郎
1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒。96年、「悪党たちが目にしみる」で第13回サントリーミステリー大賞に佳作入選後、2000年『オーデュボンの祈り』で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビューする。03年、『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治新人文学賞、04年には「死神の精度」で第57回日本推理作家協会賞を受賞。 03年刊行の『重力ピエロ』より、直木賞の候補にも複数回あげられる。06年には『陽気なギャングが地球を回す』が映画化された。
監督紹介:中村義洋
1970年茨城県生まれ。成城大学在学中より映画研究部に所属し8mm映画製作を始め、93年「五月雨厨房」がぴあフィルムフェスティバル準グランプリを受賞。卒業後、崔洋一、平山秀幸、伊丹十三らの作品に助監督として参加。2002年「仄暗い水の底から」「刑務所の中」、04年「クイール」などの映画作品の脚本も担当。
05年「ブース」「ルート225」の2作品で、監督としての確かな実力を見せつけ、高い評価を得る。
◎ ◎ ◎

監督:中村義洋
製作:アミューズソフトエンタテインメント、スカパー・ウェルシンク、読売広告社、ダブ、河北新報社
協力:せんだい・宮城フィルムコミッション
配給:株式会社ザナドゥー
『アヒルと鴨のコインロッカー』公式ウェブサイトはこちら
http://www.ahiru-kamo.jp/
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*詳しくは映画「アヒルと鴨のコインロッカー」公式HPをご覧ください
(2006年6月5日/2008年1月25日)