高校の同窓会で二十年ぶりに郷里に帰った男性作家が、同級生の“死”の謎を解く「蓮華の花」。数年ぶりに訪れた書店で、偶然購入した『二人で探偵を』に挟まれていた不可思議なメッセージの謎「時計じかけの小鳥」。都筑道夫の代表作〈退職刑事〉シリーズの精巧なパスティーシュ「贋作『退職刑事』」など、六編収録の短編集。論理的な謎解きにこだわった、西澤ミステリの到達点。解説=巽昌章/阿津川辰海
「蓮華の花」
「卵が割れた後で」
「時計じかけの小鳥」
「贋作「退職刑事」」
「チープ・トリック」
「アリバイ・ジ・アンビバレンス」
西澤保彦
(ニシザワヤスヒコ )1960年高知県生まれ。アメリカ・エカード大学創作法専修卒。第1回鮎川哲也賞最終候補を経て、95年『解体諸因』でデビュー。〈匠千暁〉シリーズ、〈神麻嗣子〉シリーズ、〈腕貫探偵〉シリーズや、『七回死んだ男』などSF要素のある本格ミステリで人気を博す。近著に『夢の迷い路』『沈黙の目撃者』『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』『夢魔の牢獄』『偶然にして最悪の邂逅』などがある。