退職刑事が調べて現職刑事が寝台探偵を務めるという逆の構図で描かれ、終盤ドッキリさせられる「拳銃と毒薬」や、美恵が岡目八目ぶりを見せる「耳からの殺人」など、八編を収録。安楽椅子探偵の名シリーズ第6集。
「つまらぬ事件」
「桜並木の一本の桜」
「死は木馬にのって」
「拳銃と毒薬」
「耳からの殺人」
「馬の背」
「針のない時計」
「昔の顔」
都筑道夫
(ツヅキミチオ )1929年東京市生まれ。10代の頃から様々な筆名で小説を発表する。やがて翻訳家に転身、早川書房で日本版〈エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン〉の初代編集長を務め、〈ハヤカワ・SF・シリーズ〉の創刊にも尽力。61年に『やぶにらみの時計』で作家として再デビューしたのちは、ミステリやSF、時代小説から脚本、評論に至るまで幅広いジャンルで旺盛な執筆活動を行った。2001年に『推理作家の出来るまで』で第54回日本推理作家協会賞を、02年には第6回日本ミステリー文学大賞を受賞。03年没。