亮子の夫は落語家・寿笑亭福の助。彼と出会うまで落語と縁のなかった亮子も、最近では噺家の女房らしくなってきた。師匠の山桜亭馬春が脳血栓で倒れてしまって以来、寿笑亭福遊に師事している福の助だが、前座の口演の最中に血染めのナイフが高座で見つかり、大騒動になったことを馬春に相談したところ……。落語を演じて謎を解く! 珠玉の三編収録の本格落語ミステリ集第一弾。著者あとがき=愛川晶/解説=鈴々舎わか馬、西上心太
「道具屋殺人事件」
「らくだのサゲ」
「勘定板の亀吉」
愛川晶
(アイカワアキラ )1957年福島県生まれ。筑波大学卒。94年、『化身』で第五回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。〈神田紅梅亭寄席物帳〉シリーズとして、本書の他『道具屋殺人事件』『芝浜謎噺』『うまや怪談』がある。他に『六月六日生まれの天使』『ヘルたん』『十一月に死んだ悪魔』など著書多数。