たったひとりで坂高文芸部を守る、ハカセこと河本博士に春が来た。なんと、可愛い新入生が入部したのだ。彼女が人気のない部を選んだのには、何か秘密がありそう。部員でもないのに文芸部に入り浸っているおれは、そんな出来事をおもしろおかしく綴っている。その日記〈空色メモリ〉が、思わぬ騒動を呼んで──。“非モテ男子”たちの恋模様をミステリ風味で描く、青春小説の決定版。解説=大矢博子
越谷オサム
(コシガヤオサム )1971年東京都生まれ。2004年『ボーナス・トラック』で第16回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞してデビュー。11年に刊行された『陽だまりの彼女』の文庫版は、累計発行部数100万部を突破している。主な著書に『階段途中のビッグ・ノイズ』『空色メモリ』『金曜のバカ』『いとみち』『くるくるコンパス』がある。