●三上延氏推薦──「「ビブリア」を書くにあたって強く影響を受けています。」
神保町に店を構える村雲書店の跡継ぎとなるのは、長女の婿か、次女の婿か? 余命幾許もない主人が考えだした後継者選びの方法は、稀少価値の高い古書十点を、タイムリミットまでにどちらが多く入手できるか競い合わせる、というものだった。この争いに古書マニアの大学教授とその宿命のライバルである塾経営者も絡み、事態は紛糾する。大好評〈ビブリオ・ミステリ〉シリーズ。
紀田順一郎
(キダジュンイチロウ )1935年横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業。商社勤務を経て、日本近代史と書誌学を中心とする研究活動に入る。2008年、『幻想と怪奇の時代』で第61回日本推理作家協会賞を受賞。同年には、神奈川文化賞も受賞した。また、06年から12年まで神奈川近代文学館館長を務めている。主な著書に『東京の下層社会』『20世紀モノ語り』『戦後創成期ミステリ日記』『蔵書一代』『古本屋探偵登場』『夜の蔵書家』『神保町の怪人』などがある。訳書に『M・R・ジェイムズ怪談全集1、2』ほか。