第2回(1995年度)創元推理短編賞へ投じられた362編から厳選された作品をもとに、短編の名手が推理小説作法の極意を伝授する。巧まずして多彩な作品集となった本書は、投稿諸氏に無尽の啓示を与えるだろう。解説(対談)=北村薫・宮部みゆき
遠田緩「萬相談百善和尚」
釣巻礼公「崖の記憶」
永多正夢「試しの遺言」
永井するみ「瑠璃光寺」
那伽井聖「憧れの少年探偵団」
植松二郎「象の手紙」
北村薫
(キタムラカオル )1949年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。89年『空飛ぶ馬』でデビュー。91年『夜の蝉』が第44回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)を、2006年『ニッポン硬貨の謎 エラリー・クイーン最後の事件』が第6回本格ミステリ大賞(評論・研究部門)を、09年『鷺と雪』が第141回直木賞を受賞。16年に第19回日本ミステリー文学大賞を受賞。主な著書に『秋の花』『六の宮の姫君』『朝霧』『太宰治の辞書』『スキップ』『ターン』『リセット』『街の灯』『玻璃の天』『覆面作家は二人いる』『冬のオペラ』『盤上の敵』『語り女たち』『ひとがた流し』『いとま申して 『童話』の人びと』『謎物語 あるいは物語の謎』『ミステリは万華鏡』『詩歌の待ち伏せ』『北村薫のうた合わせ百人一首』『読まずにはいられない 北村薫のエッセイ』がある。
宮部みゆき
(ミヤベミユキ )1960年、東京都江東区生まれ。87年、「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、『本所深川ふしぎ草紙』で吉川英治文学新人賞、『火車』で山本周五郎賞、『蒲生邸事件』で日本SF大賞、『理由』で直木賞、『模倣犯』で毎日出版文化賞特別賞、『名もなき毒』で吉川英治文学賞受賞。ほかに司馬遼太郎賞、芸術選奨文部科学大臣賞受賞。