通電フェンスをめぐらし、庭に犬を放った家に住む親ドイツ派の男が、その邸内で殺された。FBIの監視下にもあった密室は、いかにして破られたのか(「要塞と化した農家の謎」)。謎めいた革服の男と、一日を過ごしたホーソーン医師。宿に泊まった翌朝、男は消えていた。革服の男は、本当に存在したのか……(「革服の男の謎」)。ホーソーン医師もの12編に加え、西部探偵ベン・スノウものの短編「フロンティア・ストリート」を収録。不可能犯罪の大盤ぶるまいで、読者を堪能させる第4集。解説=木村仁良
*第2位『IN★POCKET』2006年文庫翻訳ミステリーベスト10/読者部門
*第2位『IN★POCKET』2006年文庫翻訳ミステリーベスト10/作家部門
*第10位『IN★POCKET』2006年文庫翻訳ミステリーベスト10/総合部門
「黒いロードスターの謎」
「二つの母斑の謎」
「重体患者の謎」
「要塞と化した農家の謎」
「呪われたティピーの謎」
「青い自転車の謎」
「田舎教会の謎」
「グレンジ・ホールの謎」
「消えたセールスマンの謎」
「革服の男の謎」
「幻の談話室の謎」
「毒入りプールの謎」
「フロンティア・ストリート」
エドワード・D・ホック
アメリカの作家。1930年ニューヨーク州生まれ。1955年、雑誌にサイモン・アークもの第1作となる短編「死者の村」が掲載されデビュー。以降50年以上にわたり、短編ミステリの第一人者として活躍し続けた。サイモン・アーク、怪盗ニック・ヴェルヴェット、レオポルド警部やサム・ホーソーン医師など、多種多彩なキャラクターを起用して謎解きの醍醐味を満喫させる作風は本国でも高く評価され、2001年にはアメリカ探偵作家クラブ(MWA)生涯功労賞を受賞したほか、数々の栄誉に輝いている。2008年没。