浅羽莢子
(アサバサヤコ )1953年生まれ。英米文学翻訳家。東京大学文学部卒。主な訳書にセイヤーズ『学寮祭の夜』、チャーチル『ゴミと罰』、マクラウド『納骨堂の奥に』、キャロル『死者の書』、ピーク『ゴーメンガースト』など多数。2006年歿。
冬将軍の去った沼沢地方の村に、弔いの鐘が響いた。病がちな赤屋敷の当主が逝ったのだ。1930年代英国が産んだ最高の探偵小説と謳われる、セイヤーズの最大傑作。
あのビルがロシア皇帝? ばかばかしいと思ったものの、そう主張する研究者が殺されたとなると話が違う。本当に帝位争いの殺人なのか?
広告文案家の不審死に挑むピーター卿。闊達な筆で三十年代の広告業界を描き出しながら巧妙な趣向を滲ませる、セイヤーズの真骨頂!
砂浜で女性探偵作家が見つけた惨死体。潮が満ちて死体は流されるが……?さしものピーター卿も途方に暮れる難事件。巧緻な大作。
家の裏の野原で映画の撮影が始まった。すっかり野次馬気分のジェーンだが、次々災難が降りかかり、ついには殺人事件の容疑者に!?
長閑な田舎町で殺された嫌われ者の画家。怪しげな六人の容疑者からピーター卿が名指すのは誰?英国黄金時代の香り漂う第六長編。
親友の同期会の手伝いに狩り出されたジェーンは、振り回されたあげく死体を発見する破目に。主婦探偵が右往左往する快調第四弾!
美術品修復業を営む男のまわりで次々人が死んでいく?徘徊する赤いジョギング・スーツ姿の怪人物。セーラ&マックス好調最新作。
自分史執筆の講座を受けることにしたジェーンのまえで毒殺事件が勃発。犯人は受講生の中に?主婦探偵が創作に目覚める第三弾!
砒素で元恋人を殺害した罪に問われた女流推理作家。恋に落ちたピーター卿は圧倒的に不利な状況を覆さんと立ち上がる。長編第五弾!
初飛行に胸躍らせる船、ナンシアに乗り込んだのは、金持ちの駄々っ子五人衆。まさか彼らの悪巧みに翻弄されることになろうとは。
遺産相続問題を解決するため老将軍の死の時刻の決定を依頼されたピーター卿のだったが、事件の根は意外に深く・・・・・・。好評の第四長編。
裕福な老婦人を襲った不自然な死。だが殺人の痕跡はどこにも見当たらない。奸智に長けた殺人者とピーター卿の頭脳戦を描く第三弾!
いま憶えていることと、本当にあったことが違っている!? 二重の記憶に揺らぐ少女。その成長をほろ苦く描く、現代ファンタジイの名品。
従兄の運営する高齢市民リサイクル・センターの会員が殺された。一族挙げての探偵騒動が始まる中、セーラは出産寸前。好評第七弾。
妹の婚約者を殺したかどでデンヴァー公爵が逮捕された。兄の無実を証明すべく東奔西走するピーター卿の名推理と、思いがけない冒険の数々。活気に満ちた物語が展開する第二長編。
歩いててふと気がついたら、あたし幽霊になってた! 何も思い出せないし、下を見たら自分の体がないし。どうして? おかしくもほろ苦い、現代ファンタジイの逸品。
実直な建築家が住むフラットの浴室に出現した、見知らぬ男の死体。場所柄、男は素っ裸で、身につけているものは金縁の鼻眼鏡のみ。一体これは誰の死体なのか?
心優しい筆致がうれしいミステリ界の人気者が、人生の哀歓をさりげなく謳った軽妙多彩な短編傑作集。セーラさえ知らないマックスの本業の実態を描く爆笑編「帰り途」、マッドな科学者によるタイムマシン……