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完全犯罪――それはプロ、アマを問わず、すべての犯罪者の夢である。本書はこうした完全犯罪を達成した悪党たちを、殺人者、泥棒、詐欺師、悪徳弁護士、各種悪党の5つの展示場に分類して、その巧妙な手口を披露する、E・クイーンのまことにユニークなアンソロジー。
下巻――M・D・ポースト「金策」A・フリーマン「真鍮の蛇」W・H・ホジスン「陽動作戦」ジョンストン・マッカレー「愛国者、地下鉄サム」E・クイーン「ぺてん師エラリー・クイーン」他9編。
エラリー・クイーン
アメリカの作家。フレデリック・ダネイ(1905‐82)とマンフレッド・B・リー(1905‐71)の、いとこ同士による合同ペンネーム。1929年、出版社のコンテストに投じた長編『ローマ帽子の謎』でデビュー。同書を第一作とする〈国名シリーズ〉と、当初はバーナビー・ロス名義で発表されたドルリー・レーン四部作でミステリ界に不動の地位を得る。その後も作者と同名の名探偵が活躍する傑作をいくつも著し、ダネイは雑誌〈エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン〉で多数の作家を世に送り出したほか、ミステリ研究者、アンソロジストとしても功績を残した。「アメリカの推理小説そのもの」と評された、巨匠中の巨匠である。
厚木淳
(アツキジュン )1930年、東京日本橋に生まる。1953年、京都大学卒業。東京創元社取締役編集部長を経て、翻訳家。訳書に、火星シリーズをはじめとする、東京創元社より刊行のバローズ全作品、クリスティ『晩餐会の13人』『ポワロの事件簿1,2』、ほか多数がある。2003年歿。