異形の天才、降臨。
「卓越した造語感覚と、圧倒的なイメージ喚起力」
――大森望・日下三蔵・堀晃、3選考委員激賞。
【第34回日本SF大賞受賞/第2回創元SF短編賞受賞】
100メートルの巨大な鉄柱が支える小さな甲板の上に、“会社”は建っていた。語り手はそこで日々、異様な有機生命体を素材に商品を手作りする。雇用主である社長は“人間”と呼ばれる不定形の大型生物だ。甲板上と、それを取り巻く泥土の海だけが語り手の世界であり、そして日々の勤めは平穏ではない――第2回創元SF短編賞受賞の表題作にはじまる全4編。連作を経るうちに、驚くべき遠未来世界が読者の前に立ち現れる。解説=大森望/本文イラスト=酉島伝法
*第1位『SFが読みたい!2020年版』2010年代SFベスト
*第1位『SFが読みたい!2014年版』ベストSF2013国内篇
*第1位「闘うベストテン場外乱闘篇 ROUND2」国内篇(2014年1月13日、於・新宿ロフトプラスワン)
「皆勤の徒」
「洞(うつお)の街」
「泥海(なずみ)の浮き城」
「百々似(ももんじ)隊商」
酉島伝法
(トリシマデンポウ )1970年大阪府生まれ。2011年「皆勤の徒」で第2回創元SF短編賞を受賞。同作を表題作とした短編集は書籍デビュー作ながら第34回日本SF大賞を受賞。2018年には英訳版が、2021年には仏訳版が刊行され話題となる。2020年、初長編『宿借りの星』で第40回日本SF大賞を受賞した。近刊に『奏で手のヌフレツン』がある。
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