第1回創元SF短編賞受賞作をはじめ、
大学研究室を舞台にした、新しい“理系SF”の誕生
「リアリティ豊かな研究室SF」――大森望(選考委員)
「シンプルかつ独創的なアイデア」――日下三蔵(選考委員)
「堅実でしかも野心的。センスがある」――山田正紀(ゲスト選考委員)
【第1回創元SF短編賞受賞】
〈北の街〉にある蛸足型の古い総合大学。語り手の女子学生と同じ生命科学研究所に通う、幼馴染みの男子学生が、ある日、一心不乱に奇妙な実験を始めた。亡くなった心の師を追悼する実験だ、と彼はいうのだが……。夏休みの閑散とした研究室で、人知れず行われた秘密の実験の顛末とは。少しだけ浮世離れした、しかしあくまでも日常的な空間――研究室を舞台に起こるSF事件。理系女子ならではの、大胆にして繊細な奇想SF連作、全5編。
「あがり」 ※第1回創元SF短編賞受賞作
「ぼくの手のなかでしずかに」
「代書屋ミクラの幸運」
「不可能もなく裏切りもなく」
「へむ」
松崎有理
(マツザキユウリ )1972年茨城県生まれ。東北大学理学部卒。2010年に「あがり」で第1回創元SF短編賞を受賞。著作に同作を収録したSF連作集『あがり』のほか、『架空論文投稿計画』『5まで数える』『イヴの末裔たちの明日』などがある。
http://yurimatsuzaki.com/