映画監督を志す守凪了子(カミナギリヨーコ)は舞浜南高校に進学し、憧れの映研に入部した。仲間たちとともに、AIを駆使した長編映画を制作し、コンテストに応募するのだ。だが撮影を続けるなかで、あちこちで奇妙な齟齬を体験する。それはこの街自体に隠された〈世界のほころび〉だった。気鋭のハードSF作家が独自の着想で綴る、本格SFアニメーション『ゼーガペイン』の語られざるエピソード。書下しボーナストラック「ホロニックワールド・エンタングルメント」を収録。単行本版あとがき・文庫版あとがき=高島雄哉/解説=花澤香菜
高島雄哉
(タカシマユウヤ )1977年山口県宇部市生まれ。東京大学理学部物理学科卒、東京藝術大学美術学部芸術学科卒。2014年、「ランドスケープと夏の定理」で第5回創元SF短編賞を受賞(門田充宏「風牙」と同時受賞)。18年の同題長編化作品は、第一作ながら『SFが読みたい!』国内篇第5位に、また星雲賞日本長編部門候補となった。19年の『21.5世紀 僕たちはどう生きるか?』は星雲賞ノンフィクション部門候補となる。他の作品に、『不可視都市』『青い砂漠のエチカ』『宇宙戦艦ヤマト 黎明篇 アクエリアス・アルゴリズム』など。16年の劇場用アニメーション『ゼーガペインADP』に始まり、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』『ブルバスター』、VRゲーム『アルトデウスBC』『ディスクロニアCA』など多くの作品にSF考証として参加する。