SFとファンタジーの基本はセンス・オブ・ワンダーだ。そして並はずれたセンス・オブ・ワンダーを味わえるのは、超人的なヒーローが宇宙の命運をかけて銀河のかなたで恐ろしい敵と戦う物語だ(序文より)――常識はずれの宇宙航行生物、謎だらけの巨大異星構造物、銀河をまるごと吹き飛ばす規模の超爆弾。ジャック・キャンベルら充実の執筆陣による、SFならではの圧倒的スケールで繰り広げられる物語18編を集めた傑作選。解説=堺三保
チャーリー・ジェーン・アンダーズ「時空の一時的困惑」
トバイアス・S・バッケル「禅と宇宙船修理技術」
ベッキー・チェンバーズ「甲板員、ノヴァ・ブレード、大いに歌われた経典」
ヴィラル・カフタン「晴眼の時計職人」
ジョゼフ・アレン・ヒル「無限の愛」
アダム=トロイ・カストロ&ジュディ・B・カストロ「見知らぬ神々」
キャロリン・M・ヨークム「悠久の世界の七不思議」
アラン・ディーン・フォスター「俺たちは宇宙地質学者、なのに」
カール・シュレイダー「黄金の人工太陽」
A・マーク・ラスタッド「明日、太陽を見て」
ショーニン・マグワイア「子どもたちを連れて過去を再訪し、レトロな移動遊園地へ行ってみよう!」
アリエット・ド・ボダール「竜が太陽から飛び出す時」
リンダ・ナガタ「ダイヤモンドとワールドブレイカー」
ユーン・ハ・リー「カメレオンのグローブ」
カット・ハワード「ポケットのなかの宇宙儀」
ジャック・キャンベル「目覚めるウロボロス」
カメロン・ハーレイ「迷宮航路」
ダン・アブネット「霜の巨人」
J・J・アダムズ
1976年アメリカ生まれの編集者、ジャーナリスト、評論家。2008年から20冊以上のアンソロジーを編纂し、2011年にはヒューゴー賞短編編集者部門の候補にもなった、アメリカSF・FT界を代表する目利きのひとり。2015-2020年には自らの名を冠したSF・FTレーベル、ジョン・ジョゼフ・アダムズ・ブックスの編集主幹を務めた。
中原尚哉
(ナカハラナオヤ )1964年生まれ。東京都立大学人文学部英米文学科卒。訳書にヴィンジ『遠き神々の炎』『星の涯の空』ほか多数。2021年、ウェルズ『マーダーボット・ダイアリー』で第7回日本翻訳大賞を受賞。