●坂木司氏推薦──「ひどすぎるよ、ハインライン。女子の夢まで木っ端みじん!」
火星年齢8歳(地球年齢15歳)のポディは、女性宇宙船船長を夢見る火星生まれの少女。思わぬ事件のおかげで豪華客船に招待され、反社会的な天才児の弟クラークと、何をしているのかわからない政治家の大おじトムと共に、憧れの金星経由・地球行きの旅に出た。けれどこの旅行には最初から不穏な空気が漂っていた。弟が何やら企んでいるらしい……。ポディを待ち受ける衝撃的な結末! 解説=坂木司
R・A・ハインライン
1907年ミズーリ州生まれ。39年にSF作家としてデビュー。アーサー・C・クラーク、アイザック・アシモフと並んで絶大な人気を誇り、生涯に4度ヒューゴー賞を受賞している(56年刊『ダブル・スター』、59年刊『宇宙の戦士』、61年刊『異星の客』、66年刊『月は無慈悲な夜の女王』)。他にも『銀河市民』『夏への扉』『宇宙の孤児』『人形つかい』など、数多くの名作を著している。『宇宙の呼び声』『ルナ・ゲートの彼方』『ラモックス』など、ジュブナイルSFでも人気を博した。1988年没。
赤尾秀子
(アカオヒデコ )津田塾大学数学科卒業。英米文学翻訳家。主な訳書に、レッキー《叛逆航路》シリーズ、ハインライン『天翔る少女』、マキャフリー『だれも猫には気づかない』、マキャフリー&ラッキー『旅立つ船』、ヴィンジ『レインボーズ・エンド』ほか多数。