【ヒューゴー賞受賞】
そもそも一杯の酒につられて素性の知れない男の話なんかに耳を傾けたのが間違いだった。失業俳優ロレンゾが引き受けた仕事は、行方不明中の偉大なる政治家の替え玉役。やっつけ仕事のはずだったのに、いつのまにやら太陽系帝国の運命まで担うはめになろうとは。プライド高き三文役者の一世一代の大芝居、八面六臂の大活躍! 巨匠に初のヒューゴー賞をもたらした、歴史に残る傑作。解説=高橋良平(初刊時タイトル『太陽系帝国の危機』を新訳・改題)
R・A・ハインライン
1907年ミズーリ州生まれ。39年にSF作家としてデビュー。アーサー・C・クラーク、アイザック・アシモフと並んで絶大な人気を誇り、生涯に4度ヒューゴー賞を受賞している(56年刊『ダブル・スター』、59年刊『宇宙の戦士』、61年刊『異星の客』、66年刊『月は無慈悲な夜の女王』)。他にも『銀河市民』『夏への扉』『宇宙の孤児』『人形つかい』など、数多くの名作を著している。『宇宙の呼び声』『ルナ・ゲートの彼方』『ラモックス』など、ジュブナイルSFでも人気を博した。1988年没。
森下弓子
(モリシタユミコ )主訳書、タニス・リー「冬物語」「死霊の都」、メアリ・シェリー「フランケンシュタイン」、T・H・ホワイト「永遠の王」、デ・リント「リトル・カントリー」、ハインライン「ルナ・ゲートの彼方」「宇宙の呼び声」「ダブル・スター」。