●奥泉光氏(『新・地底旅行』の著者)推薦——「冒険はシンプルが一番良い。」
鉱物学の世界的権威リデンブロック教授は、16世紀アイスランドの錬金術師が残した謎の古文書に導かれ、死火山の噴火口から地球の中心部を目ざす地底世界の大冒険旅行に出発した。地球創成期からの謎を秘めた人跡未踏の内部世界。現代SFの父といわれるヴェルヌの驚異的な想像力が縦横に描き出した不滅の傑作。挿絵=南村喬之
*映画『地底旅行』(1959年/ヘンリイ・レヴィン監督)原作
ジュール・ヴェルヌ
フランスの作家。1828年生、1905年歿。はじめ劇作家を志すが、『気球に乗って五週間』の発表で大成功を収め、一躍流行作家となった。ウェルズ、ドイルと並び称される現代SFの開祖である。代表作とも言える『海底二万里』『月世界へ行く』『八十日間世界一周』をはじめとして、生涯に80あまりの小説を発表。彼が描く未来予見と驚異の旅は、古今東西の名作群の中で今なお輝きを放っている。
窪田般彌
(クボタハンヤ )1926年生まれ。詩人、フランス文学者。主な訳書にラディゲ『肉体の悪魔』、ルナール『にんじん』、『カザノヴァ回想録』ほか。2003年歿。