仕立屋のご隠居シュワーツは時空を超え、原子戦争の結果廃墟と化し、銀河帝国と〈古代教団〉によって統治され、宇宙に浮かぶ放射能にまみれた小石として冷遇されている地球へと踏み込んだ。そこでは、人類の正統派である地球人たちは、銀河帝国政府の圧政に抗して銀河系文明の全滅作戦を決行しようとしていた。科学者作家である巨匠が放つ未来叙事詩。
アイザック・アシモフ
アメリカの作家。1920年、ロシアに生まれ、3歳で家族とアメリカに移住しニューヨークで育った。35年、15歳の若さでコロンビア大学へ入学。39年、SF専門誌に短編が掲載され作家デビュー。40年代の“SF黄金時代”の立役者の一人となり、50年、自身が考案した〈ロボット工学の三原則〉に基づく連作短編集『わたしはロボット』で一躍脚光を浴びた。SFの代表作に、壮大な未来叙事詩《銀河帝国の興亡》シリーズ、またミステリの代表作に、安楽椅子探偵物として名高い《黒後家蜘蛛の会》シリーズがある。一般向け科学解説書をはじめ、ノンフィクションも数多く発表した。92年没。
沼沢洽治
(ヌマサワコウジ )1932年東京生まれ。東京大学文学部英文学科卒。主な訳書に、ヴァン・ヴォークト『宇宙船ビーグル号の冒険』『イシャーの武器店』『非Aの傀儡』、ベスター『分解された男』、クラーク『地球幼年期の終わり』ほか。2007年歿。