西洋幽霊と日本の幽霊が連続して目撃された怪異。白装束を纏って剣を腹に突き立てていた英国人。歌舞伎役者を巻き込んだ山高帽子盗難の謎。鉄道開通に沸く観衆の中で叫び声を上げた女の悲しい過去。教会堂内で起きた密室状況下の怪死事件。――明治6年、文明開化の最中に起こる不可思議な事件を解決に導く特派通信員ワーグマンの活躍を描いた、江戸川乱歩賞受賞作家の連作推理。解説=細谷正充
「坂の上のゴースト」
「ジェントルマン・ハラキリ事件」
「消えた山高帽子」
「神無月のララバイ」
「ウェンズデーの悪魔」
翔田寛
(ショウダカン )1958年東京都生まれ。2000年、「影踏み鬼」で第22回小説推理新人賞を受賞してデビュー。著作に『影踏み鬼』『消えた山高帽子』『参議怪死ス』『眠り猫』がある。2008年『誘拐児』で第54回江戸川乱歩賞を受賞。