僕、音村夏貴はときどき過呼吸の発作を起こす十四歳。親友の正哉が目の前で焼死したときもそう。どうして……。悲しみにくれる僕の耳に、慣れ親しんだ声が聞こてくえる。死んだはずの正哉が携帯電話から語りかけてきたんだ! 巻き込まれた火事は不審火!?真相を探るために僕は正哉と動き出す。少年の繊細な心の煌めきを見事に描いた青春ファンタスティック・ミステリの傑作! 《しゃばけ》シリーズの著者、初の現代小説。解説=坂木司
畠中恵
(ハタケナカメグミ )1959年高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒業後、漫画家のアシスタント、書店員などを経て漫画家としてデビュー。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞。つづいて『ぬしさまへ』も発表し、時代物作家として多くのファンを獲得している。