【第12回鮎川哲也賞受賞作】
大学教授にして推理作家の富井に託されたのは、著名な画家・星野が遺した手記だった。――終戦直後のドイツ。星野が迷い込んだ城館には推理の達人たちが集い、犯人当て小説「イギリス靴の謎」に挑まんとしている最中だった。だが、現実に殺人が起きたのだ! 推理合戦の果てに到達した、驚愕の解答とは。さらに手記には大いなる秘密が隠されているという。富井はすべての謎を解き、星野の挑戦を退けることができるのか。
後藤均
(ゴトウヒトシ )1958年東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1986年シカゴ大学経営大学院を卒業。02年、『写本室(スクリプトリウム)の迷宮』で第12回鮎川哲也賞を受賞。他の著作に『グーテンベルクの黄昏』がある。