あたし、鏡田小夏、19歳。母と二人で暮らすマンションの一室が、たったひとつのあたしの城。高校時代のいじめから“ひきこもり”となったあたしを訪ねてくるのは、親友の宮前秋だけ。いつも、恋の話や自分がであった不思議な出来事の話をしてくれる。健気で一途な小夏、イマドキだけど天真爛漫な秋、大人未満の少女二人が織りなす、愛すべきストーリー。感動の青春ミステリ連作集。解説=早見裕司
「ひまわりの誘惑」
「黒い傘、白い傘」
「さくら、さくら」
「朝顔はまだ咲かない」
「見えない人」
「窓を閉めて」
「新学期――エピローグ――」
柴田よしき
(シバタヨシキ )1959年東京生まれ。青山学院大学卒。95年『RIKO−−女神(ヴイーナス)の永遠』で第15回横溝正史賞を受賞しデビュー。本格ミステリから、ホラー、ファンタジーなど多ジャンルで活躍する。近著は『所轄刑事・麻生龍太郎』『小袖日記』『朝顔はまだ咲かない』『やってられない月曜日』。