【第9回鮎川哲也賞受賞作】
憑かれたように描き続け、やがて自殺を遂げた画家・東条寺桂。彼が遺した2枚の絵、《殉教》《車輪》に込められた主題とは何だったのか? 彼に興味を持って調べ始めた学芸員の前に現れたのは、20年前の聖夜に起きた二重密室殺人の謎だった――緻密な構成に加え、図像学の導入という新鮮な着想が話題を呼んだ、鮎川哲也賞受賞作。
*第3位『'99本格ミステリ・ベスト10』
飛鳥部勝則
(アスカベカツノリ )1964年新潟県生まれ。新潟大学大学院教育研究科修了。1998年『殉教カテリナ車輪』で第九回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。著作に『バベル消滅』『冬のスフィンクス』『バラバの方を』『レオナルドの沈黙』『堕天使拷問刑』などがある。