今にして思えば、私・殿島の事務所の隣に住む綾子が姿を消したことが、事件の発端だった。姿を消す前に、米軍接収地でトラブルに巻き込まれていた彼女。同時期、米軍には蒼志馬博士を名乗る人物からの脅迫状が届いていた──。博士が開発したという驚異の殺人兵器の謎に、眉目秀麗な探偵・荒城、義手探偵・真野原が挑む。奇想天外な舞台設定と、抜群のリーダビリティで贈る連作集。著者あとがき=山口芳宏
山口芳宏
(ヤマグチヨシヒロ )1973年三重県生まれ。横浜国立大学卒。ゲームプランナー、シナリオライターとして活躍後、2007年『雲上都市の大冒険』で第17回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。