大規模な希少動植物密売ルートの捜査中、顧客に不動産王ヒューがいるという情報を掴んだマリアと漣。2人は彼の邸宅のある高層ビルを訪れるが、そこで爆破テロに巻き込まれてしまう! 同じ頃、ヒューの所有するガラス製造会社の関係者らが、窓のない迷宮に軟禁されていた。ヒューからの不気味な伝言に怯えて過ごしていると、突然壁が透明に変わり、血溜まりに横たわる男の姿が!? 解説=宇田川拓也
市川憂人
(イチカワユウト )1976年神奈川県生まれ。東京大学卒。在学時は文芸サークル・東京大学新月お茶の会に所属。2016年、『ジェリーフィッシュは凍らない』で第26回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。同作は各種年末ミステリベストにランクインし、話題を呼んだ。他の著書に『ブルーローズは眠らない』『グラスバードは還らない』『ボーンヤードは語らない』『ヴァンプドッグは叫ばない』『神とさざなみの密室』『揺籠のアディポクル』『断罪のネバーモア』『灰かぶりの夕海』がある。