サスペンスの名手アームストロング、持ち味が光る本邦初訳作!
ある朝、台所にいたシェリーに夫が突然襲いかかり、あおりで息子のジョニーが重傷を負った。作家志望の夫ウォードは、働くどころか作品を発表することもなくドラッグ漬けの怠惰な日々。ジョニーの入院先に現れたウォードの父エドワードはシェリーの言い分を聞きもせず、二人を離婚させ孫は自分が引き取ると宣言、ジョニーの養育権をめぐる闘いが始まった。看病に通うためシェリーが病院向かいの下宿に移ったところ、エドワードに因果を含められた男も下宿人として入り込み、シェリーを貶める画策を始める。そうとは知らないシェリーに罠が迫って……。解説=横井司
シャーロット・アームストロング
アメリカの作家。1905年生、1969年歿。著作に『夢を喰う女』『あなたならどうしますか?』『毒薬の小壜』『サムシング・ブルー』『魔女の館』『始まりはギフトショップ』などがある。
近藤麻里子
(コンドウマリコ )1961年宮城県生まれ。東京外国語大学卒業。英米文学翻訳家。主な訳書に、ストラウブ『ミスターX』『ヘルファイア・クラブ』、アームストロング『風船を売る男』などがある。