その日はベックストレーム警部にとって人生最良の日だった。マフィアお抱え弁護士として警察を悩ませてきたエリクソンが殺害されたのだ。死因は鈍器による殴打、同じ場所で被害者の犬の死体も発見された。だが奇妙なことに、犬は主人が死んだ四時間後に殺されていたことが判明。なぜ犯人はわざわざ引き返して犬を殺したのか? CWAインターナショナル・ダガー賞最終候補作。
レイフ・GW・ペーション
1945年スウェーデン、ストックホルム生まれ。スウェーデンを代表するミステリ作家のひとり。犯罪学教授として、国家警察委員会の顧問も務めていた。1978年にデビュー作Grisfestenを発表。以降、『許されざる者』『見習い警官殺し』『平凡すぎる犠牲者』『悪い弁護士は死んだ』など何作ものミステリを発表している。
久山葉子
(クヤマヨウコ )1975年兵庫県生まれ。神戸女学院大学文学部英文科卒業。スウェーデン在住。主な訳書にペーション『許されざる者』、マークルンド『ノーベルの遺志』、カッレントフト『冬の生贄』、ランプソス&スヴァンベリ『生き抜いた私 サダム・フセインに蹂躙され続けた30年間の告白』などがある。