試験問題を配ったというのに、なぜ生徒の誰ひとりとして解き始めようとしないのか(「三十九枚の告発状」)。行き先の決まらない生徒のために奔走する就職担当の教師。学年トップの成績なのに未内定の生徒にはある秘密が……(「その時」)。それぞれの教室で、生徒と不思議な謎に向き合う教師たち。そして、教室に“その時”が訪れた――。巧妙な仕掛けと鮮やかな心理描写が織りなす、驚きと感動の学校ミステリ!
谷原秋桜子
(タニハラショウコ )2001年、富士見ミステリー文庫より長編『激アルバイター・美波の事件簿 天使が開けた密室』を発表しデビュー。大胆で精緻なトリックと、清新な作風で注目されるも、一時休業。06年、作家活動を再開し、小社より『天使が開けた密室』『龍の館の秘密』、そして書き下ろしの『砂の城の殺人』を刊行。