判型:四六判仮フランス装
ページ数:232ページ
初版:2008年8月29日
ISBN:978-4-488-01738-5
Cコード:C0093
装画:下村富美
装幀:岩郷重力+WONDER WORKZ。
「しずくは観覧車に乗りたい」富豪の夫人に売られてゆくことが決まり、最後の願いを口にした見世物小屋の人魚は、観覧車の客車から泡となって消えた。水神の怒りに触れて浅草は水中に沈んだのか。いや、地上という水底から人魚がその身を縛るもののない空へと還っていったのか――(表題作)。
心優しき雑誌記者と超絶美形の天才絵師、ふたりの青年が贈る帝都探偵物語。明治の世に生きるふたりの青年の交流をあたたかに描いた、新鋭の人情味あふれるデビュー作品集。
「点灯人」
「真珠生成」
「人魚は空に還る」
「怪盗ロータス」
三木笙子
(ミキショウコ )1975年、秋田県生まれ。2008年『人魚は空に還る』でデビュー。続けて同じ〈帝都探偵絵図〉シリーズである『世界記憶コンクール』『人形遣いの影盗み』『怪盗の伴走者』を刊行。他の著書に『帝都一の下宿屋』『赤レンガの御庭番(エージェント)』『帝都千一夜 美男のシェヘラザード』などがある。