ただ1人の富豪が所有する、この世に1台きりのタイムマシンが世界を変えてしまった。過去に干渉することで突然、目の前の相手が見知らぬ人間に変わり、見慣れた建物が姿を変えてしまうのだ。おれは私立探偵。だが、常に歴史が変わる──現在が変わりつづけるこの世界で、探偵に何ができるというのだろう? そのおれが、ある日、当の富豪に雇われた。奴の正体は一体? “伝説の巨人”鏡明を代表する空前絶後の時間SFを初文庫化。あとがき=鏡明/解説=大森望
*第6位『本の雑誌増刊・おすすめ文庫王国2007年度版』ジャンル別ベスト10・SF(大森望氏選)
鏡明
(カガミアキラ )1949年山形県生まれ。評論家、作家、翻訳家。早稲田大学第一文学部卒業。大学在学中からSF同人誌〈宇宙気流〉などに所属し活躍。1970年、翻訳家デビュー。同年、短編小説を発表し作家デビュー。代表作に『不確定世界の探偵物語』『不死を狩る者』、主な訳書にビーグル『最後のユニコーン』など。