【ヒューゴー賞・ローカス賞受賞】
バイオ研究所をのっとる計画を進める中でウサギが重要なターゲットと狙い定めた相手こそ、75歳の高名な詩人ロバートだった。ウサギは彼を、研究所に隣接するサンディエゴの大学図書館に誘導する。そこでは現存する本をすべて細断し、独占的にデジタル化するという暴挙がなされようとしていたのだ。反対運動が激化する中、計画の裏側で、ウサギは雇い主の思惑をこえた行動に……。解説=向井淳
赤尾秀子
(アカオヒデコ )津田塾大学数学科卒業。英米文学翻訳家。主な訳書に、レッキー《叛逆航路》シリーズ、ハインライン『天翔る少女』、マキャフリー『だれも猫には気づかない』、マキャフリー&ラッキー『旅立つ船』、ヴィンジ『レインボーズ・エンド』ほか多数。