【ヒューゴー賞受賞】
様々なエイリアン種族が構成する、遠未来の情報ネットワーク銀河。その片隅の星で人類は50億年前のアーカイヴを発見、喜びにわきたつが……そこから目覚めたのは、人知を超えた強大な邪悪意識だった。解き放たれたそれは恐怖と混乱を呼び起こしつつ、恐るべき規模で銀河中枢を蝕んでゆく。一方この悪魔の星から、最後の希望となる手掛りを積んで脱出した船があった。どうにか緑の星に不時着し命拾いしたかと思いきや、彼らは原住の奇妙な犬形集合知性体が繰りひろげる抗争に巻きこまれてしまう。生き延びたのは子供二人だけ。これを察知した銀河世界は、彼らを救出せんと一隻の人類エイリアン共同船を送るが? 刻々と迫る最後の時。絶賛を博したヒューゴー賞受賞巨篇!
中原尚哉
(ナカハラナオヤ )1964年生まれ。東京都立大学人文学部英米文学科卒。訳書にヴィンジ『遠き神々の炎』『星の涯の空』ほか多数。2021年、ウェルズ『マーダーボット・ダイアリー』で第7回日本翻訳大賞を受賞。