時は19世紀。外科医サイラスが乗船する小型帆船デメテル号は、ノルウェー沿岸の極地探検にむかっていた。目的地のフィヨルドには、古代に建造された未知の大建築物があるという。ついに現地に到達した探検隊一行が目的の建築物を発見したとき、予想だにしなかった事態が起こる……読者の予測を鮮やかに反転させる、超絶展開の傑作SF! 2023年ローカス賞、ドラゴン賞候補作。解説=渡邊利道
アレステア・レナルズ
1966年イギリス・ウェールズ地方生まれ、在住。セント・アンドリューズ大学で天文学の博士号を取得。1990年に小説家デビューし、《レヴェレーション・スペース》シリーズに属する長編『カズムシティ』で2002年英国SF協会賞を受賞。短編「ウェザー」「ジーマ・ブルー」で2008年と2021年の星雲賞海外短編部門を受賞。
中原尚哉
(ナカハラナオヤ )1964年生まれ。東京都立大学人文学部英米文学科卒。訳書にヴィンジ『遠き神々の炎』『星の涯の空』ほか多数。2021年、ウェルズ『マーダーボット・ダイアリー』で第7回日本翻訳大賞を受賞。