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日本怪奇小説傑作集〈3〉

紀田順一郎東雅夫


日本怪奇小説傑作集〈3〉

ジャンル
ホラー > ホラー
レーベル
創元推理文庫(F)

判型:文庫判
ページ数:474ページ
初版:2005年12月16日

ISBN:978-4-488-56403-2
Cコード:C0193
文庫コード:F-ん-2-3

装画:田中恭吉「スパァク」
装画:間村俊一


内容紹介

明治以降、日本の怪奇小説は、怪異を客観化することで大きく革新された。幻想への科学的な指向性。社会の合理主義から逸脱し怪奇を紡ぎ出す、意識の闇への沈潜。あるいは、疑問や躊躇を抱きつつ怪奇幻想を受容し肯定する、語りの装置としての懐疑精神……。さらに、戦後半世紀の社会環境の変化が、恐怖という感性と、怪奇小説に変容をもたらす。文芸、ミステリ、SF等のジャンルを超えた、多彩な作家たちによる17編を収める最終巻。序文=紀田順一郎/編者あとがき=東雅夫


目次

山川方夫「お守り」
吉行淳之介「出口」
小松左京「くだんのはは」
稲垣足穂「山ン本五郎左衛門只今退散仕る」
都筑道夫「はだか川心中」
荒木良一「名笛秘曲」
三浦哲郎「楕円形の故郷」
星新一「門のある家」
半村良「箪笥」
中井英夫「影人」
吉田健一「幽霊」
筒井康隆「遠い座敷」
阿刀田高「縄−−編集者への手紙−−」
赤江瀑「海贄考」
澁澤龍彦「ぼろんじ」
皆川博子「風」
高橋克彦「大好きな姉」



紀田順一郎

(キダジュンイチロウ )

1935年横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業。商社勤務を経て、日本近代史と書誌学を中心とする研究活動に入る。2008年、『幻想と怪奇の時代』で第61回日本推理作家協会賞を受賞。同年には、神奈川文化賞も受賞した。また、06年から12年まで神奈川近代文学館館長を務めている。主な著書に『東京の下層社会』『20世紀モノ語り』『戦後創成期ミステリ日記』『蔵書一代』『古本屋探偵登場』『夜の蔵書家』『神保町の怪人』などがある。訳書に『M・R・ジェイムズ怪談全集1、2』ほか。


東雅夫

(ヒガシマサオ )

1958年神奈川県生まれ。早稲田大学卒。文芸評論家、アンソロジスト。『幻想文学』と『幽』の編集長を歴任。著書に『遠野物語と怪談の時代』(日本推理作家協会賞受賞)、『百物語の怪談史』ほか、編纂書に『日本怪奇小説傑作集』全三巻(紀田順一郎と共編)、『文豪妖怪名作選』『猫のまぼろし、猫のまどわし』ほか多数がある。