ニューヨークの虹の朝、市警失踪人課を一人の少年が訪ねてきた。とある事件で知り合った少年は「ペギーがいなくなったんだ」とワットマンに告げる。彼の捜す少女は一年ほど前からどこか様子がおかしかったという──。一方の巡矢も、一葉の写真に写っていた少女の行方を追い始める。二人が動いた末に明らかになった哀しい真実とは? 『HEARTBEAT』に連なる青春ミステリの雄編。解説=大矢博子
小路幸也
(ショウジユキヤ )1961年北海道生まれ。2003年、『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で第29回メフィスト賞を受賞しデビュー。06年、『東京バンドワゴン』で一躍注目を集める。少年たちを主人公にしたノスタルジックな味わいのファンタジー、あるいは青年たちを活写した青春小説の書き手として活躍中。著作は『HEARTBEAT(ハートビート)』『HEARTBLUE(ハートブルー)』 『東京公園』『シー・ラブズ・ユー』『カレンダーボーイ』など。