高校入学七ヶ月目のある日。些細な失敗のためクラスメイトから疎外され、“幽霊”と呼ばれているぼくは、席替えで初めて存在を意識した同級生にいきなり話しかけられた。「まだ、お礼を言ってもらってない気がする」──やがてぼくらは誰もいない図書室で、言葉を交わすようになる。一方、校舎の周辺では小動物の死骸が続けて発見され……。心を深く揺さぶる青春ミステリの傑作。解説=大森望
十市社
(トオチノヤシロ )1978年、愛知県生まれ。中京大学卒。2013年2月、Amazonが提供する電子書籍出版支援サービスKDP(Kindleダイレクト・パブリッシング)から、『ゴースト≠ノイズ(リダクション)』(上下)を発売。同書を改稿のうえ、〈ミステリ・フロンティア〉より紙の書籍として刊行し本格的にデビューする。他の著作に『滑らかな虹』(上下)『亜シンメトリー』がある。