同じ団地に住む小学四年生が失踪しては数日で戻ってくる出来事が連続して発生した。広義の密室だった団地、教師に見張られた視聴覚室などの不可能状況下から、忽然と姿を消す子供たち。当初はいたずらか家出と思われた事件は、やがて地域住民を巻き込んだ大騒動に発展する。子供たちはどのように、そしてそもそもなぜ失踪を続けるのか。切実なる一夏の闘いを描いた傑作ミステリ。著者あとがき=岡崎琢磨/解説=辻真先
岡崎琢磨
(オカザキタクマ )1986年福岡県生まれ、京都大学法学部卒。2012年、第10回『このミステリーがすごい!』大賞“隠し玉”作品に選出された『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』でデビュー。同作はシリーズ化され、大ベストセラーとなる。他の著作に〈道然寺さんの双子探偵〉シリーズ、『九十九書店の地下には秘密のバーがある』『下北沢インディーズ』『貴方のために綴る18の物語』など多数。