逆説の論理の魔術師チェスタトンを代表する名シリーズの第二集。トリックの凄みでは、名作揃いの巨匠チェスタトン作品のなかでもトップクラスに位置する「通路の人影」、仮装舞踏会を舞台に神父の心理試験反対論を織りまぜた「機械のあやまち」など、いずれ劣らぬ名作12編を収録。とても名探偵とは思えない外見のブラウン神父が明かす奇妙な事件の真相は、読む者の度肝を抜く! 解説=巽昌章
「グラス氏の失踪」
「泥棒天国」
「イルシュ博士の決闘」
「通路の人影」
「機械のあやまち」
「シーザーの頭」
「紫の鬘(かつら)」
「ペンドラゴン一族の滅亡」
「銅鑼(どら)の神」
「クレイ大佐のサラダ」
「ジョン・ブルノワの珍犯罪」
「ブラウン神父のお伽噺(とぎばなし)」
G・K・チェスタトン
1874年イギリス生まれ。作家、評論家。逆説と諧謔の大家として知られ、〈ブラウン神父〉シリーズに代表される短編推理小説は、コナン・ドイルの作品と並んで後世の作家たちに計り知れない影響を与えた。また長編『木曜の男』などに顕著な独特の幻想性により、現在でも熱狂的な読者を獲得している。1936年没。
中村保男
(ナカムラヤスオ )1931年生まれ。東京大学文学部英文学科卒業。英米文学翻訳家。翻訳研究・翻訳技術に関する著書も多数ある。2008年12月9日歿。