惨敗したW杯から三年、アジア最終予選で苦戦する日本代表を立て直すため、監督を更迭した日本サッカー協会。ピンチを救うべく、新たな監督探しを託されたのは、かつて“日本サッカー界の裏切り者”と呼ばれた男・望月だった。三年前もマスコミのリークにより、契約に失敗した経緯がある望月は、そのリベンジを誓い、監督探しの旅へと赴く──。
サッカー協会、マスコミ、代理人、そして日本代表選手、おのおのの思惑が渦巻く中、たった二十五日という期限内に新監督を選ぶことができるのか、そして三年前に味わった屈辱の黒幕とは? 名手が描く、スポーツサスペンス。
本城雅人
(ホンジョウマサト )1965年神奈川県生まれ。明治学院大学卒。スポーツ新聞記者、競馬雑誌デスクを経て、2009年『ノーバディノウズ』でデビュー。翌年に同作で第1回サムライジャパン野球文学賞を受賞。野球や競馬、サッカーなどを題材に、入念な取材に基づいた作品で人気を博している。主な著作に『スカウト・デイズ』『シューメーカーの足音』『サイレントステップ』『誉れ高き勇敢なブルーよ』『贅沢のススメ』『ライフ』がある。