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惨敗したW杯から三年、アジア最終予選で苦戦する日本代表を立て直すため、監督を更迭した日本サッカー協会。ピンチを救うべく、新たな監督探しを託されたのは、かつて“日本サッカー界の裏切り者”と呼ばれた男・望月だった。三年前もマスコミのリークにより、契約に失敗した経緯がある望月は、そのリベンジを誓い、監督探しの旅へと赴く──。
サッカー協会、マスコミ、代理人、そして日本代表選手、おのおのの思惑が渦巻く中、たった二十五日という期限内に新監督を選ぶことができるのか、そして三年前に味わった屈辱の黒幕とは? 名手が描く、スポーツサスペンス。
本城雅人
(ホンジョウマサト )1965年神奈川県生まれ。明治学院大学卒。スポーツ新聞記者、競馬雑誌デスクを経て、2009年『ノーバディノウズ』でデビュー。翌年に同作で第1回サムライジャパン野球文学賞を受賞。17年に新聞記者たちの地道な取材をテーマとした『ミッドナイト・ジャーナル』で第38回吉川英治文学新人賞を受賞。18年に『傍流の記者』が第159回直木三十五賞の候補となる。主な著作は『球界消滅』『トリダシ』『にごりの月に誘われ』『二律背反』など。2023年末には文庫書き下ろし〈二係捜査シリーズ〉『宿罪』『逆転』『ゴースト』を3ヶ月連続刊行し話題となる。