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結婚式場へ向かうエレベータ内で、指名手配犯を監視していた二人の刑事。突然の停電後に、なんと乗客のひとりが殺害されていた。もっとも怪しいのは、手や服を血で汚した指名手配の男だが……。表題作「赤い糸の呻き」をはじめ、犯人当てミステリ「お弁当ぐるぐる」、都筑道夫の〈物部太郎シリーズ〉のパスティーシュ「墓標の庭」など、全五編を収録。“西澤保彦ワールド”全開ともいえる、著者入魂の短編集。著者あとがき=西澤保彦
*第10位 『2012本格ミステリ・ベスト10』国内ランキング
西澤保彦
(ニシザワヤスヒコ )1960年高知県生まれ。アメリカ・エカード大学創作法専修卒。第1回鮎川哲也賞最終候補を経て、95年『解体諸因』でデビュー。〈匠千暁〉シリーズ、〈神麻嗣子〉シリーズ、〈腕貫探偵〉シリーズや、『七回死んだ男』などSF要素のある本格ミステリで人気を博す。近著に『夢の迷い路』『沈黙の目撃者』『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』『夢魔の牢獄』『偶然にして最悪の邂逅』などがある。