学生時代からつづく恋人との距離を感じ始めた編集者の翠。そんな中、文芸誌から女性誌への出向を命じられる。新たに担当となったエッセイストには言い寄られ、小説家には相談を受け、カメラマンからも言い寄られ、恋人には浮気され、男ってなんで自分勝手なんだ! やりて編集者・翠の恋模様を、直木賞作家・芦原すなおが活き活きと描く。新感覚の恋愛小説。
芦原すなお
(アシハラスナオ )1949年香川県生まれ。早稲田大学文学部卒、同大学院博士課程中退。86年『スサノオ自伝』でデビュー。90年発表の『青春デンデケデケデケ』で第27回文藝賞、第105回直木三十五賞を受賞。主な著書に『ミミズクとオリーブ』『嫁洗い池』『わが身世にふる、じじわかし』『月夜の晩に火事がいて』『雪のマズルカ』などがある。