【第15回鮎川哲也賞佳作】
1999年5月。本多巧は大阪へ向かった。偶然居合わせた2人組の悩みを解決した恩で、本多は仕事を紹介してもらう。何ができるか、と問われ「探偵だ」と答えたことから家出人を探すことに。連れられた先は、増改築を繰り返した原色のモール。お目付け役に美少女(でもオカマ)がついたことで、俄然やる気を出す本多だが、捜索中に奇妙な事件が2つも勃発! 軽妙な語り口とユーモラスなキャラクターで贈る快作長編。解説=山田正紀
日向旦
(ヒュウガアキラ )1955年、大阪府生まれ。同志社大学法学部卒。第15回鮎川哲也賞佳作となった『世紀末大(グラン)バザール 六月の雪』で2006年6月デビュー。