判型:四六判仮フランス装
ページ数:254ページ
初版:2009年6月15日
ISBN:978-4-488-01756-9
Cコード:C0093
装画:佐伯佳美
装幀:岩郷重力+WONDER WORKZ。
美少女殺害事件から3年後、投げつけられた激情の言葉が、彼女たちの運命を変えた。
【『贖罪』特設ページ公開中】
取り柄と言えるのはきれいな空気、夕方六時には「グリーンスリーブス」のメロディ。そんな穏やかな田舎町で起きた、惨たらしい美少女殺害事件。犯人と目される男の顔をどうしても思い出せない4人の少女たちに投げつけられた激情の言葉が、彼女たちの運命を大きく狂わせることになる──これで約束は、果たせたことになるのでしょうか?
衝撃のベストセラー『告白』の著者が、悲劇の連鎖の中で「罪」と「贖罪」の意味を問う、迫真の連作ミステリ。本屋大賞受賞後第1作。
●著者のことば
コンプレックスを持った子どもが、そのコンプレックスに命を救われたら、その後どのような人生を送るのだろう。外見の小さなコンプレックスなど、年をかさねるにつれて、忘れたり、どうでもよくなっていくことのはずなのに、逆に重くのしかかってくることになるかもしれない。
その子どもが「償い」をしなければならない状況に置かれたら、どんな手段を選ぶだろう。
――そんな話を書きたいと思いました。小さな田舎町を舞台に。
この作品が書けたことを、自分自身、心の底から満足しております。
一人でも多くの方々にお読みいただければ幸いです。
*讀賣新聞2009年7月14日(日)読書欄「本よみうり堂」内「書店員のオススメ読書日記」で紹介(青山ブックセンター六本木店・間室道子氏)
「フランス人形」
「PTA臨時総会」
「くまの兄妹」
「とつきとおか」
「償い」
湊かなえ
(ミナトカナエ )1973年広島県生まれ。2005年、第2回BS-i新人脚本賞に佳作入選し、07年には第35回創作ラジオドラマ大賞を受賞する。同年、短編「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞。受賞作を第1話とした連作長編『告白』で09年に第6回本屋大賞を受賞、また同作は08年度〈週刊文春ミステリーベスト10〉の国内部門第1位に選出されるという快挙を果たした。