2012年本屋大賞翻訳小説部門 第1位

2010年クライスト賞受賞

ハンザイ

犯罪

  【単行本版】

フェルディナント・フォン・シーラッハ
酒寄進一


犯罪

ジャンル
一般文芸 > 連作短編集
海外ミステリ > 法廷もの

判型:四六判上製
ページ数:220ページ
初版:2011年6月15日

ISBN:978-4-488-01336-3
Cコード:C0097

装画:タダジュン
装幀:本山木犀


内容紹介

一生愛しつづけると誓った妻を殺めた老医師。兄を救うため法廷中を騙そうとする犯罪者一家の息子。彫像『棘を抜く少年』の棘に取り憑かれた博物館警備員。エチオピアの寒村を豊かにした心やさしき銀行強盗。魔に魅入られ、世界の不条理に翻弄される犯罪者たち。弁護士の著者が現実の事件に材を得て、異様な罪を犯した人間たちの哀しさ、愛おしさを鮮やかに描く連作短篇集。文学賞三冠獲得、四十五万部刊行の欧米読書界を驚嘆せしめた傑作!

*第1位 2012年本屋大賞〈翻訳小説部門〉
*第2位 『このミステリーがすごい!2012年版』海外編
*第2位 〈週刊文春〉2011ミステリーベスト10 海外部門
*第2位 『ミステリが読みたい!2012年版』海外篇


目次

「フェーナー氏」
「タナタ氏の茶碗」(碗は旧字)
「チェロ」
「ハリネズミ」
「幸運」
「サマータイム」
「正当防衛」
「緑」
「棘」
「愛情」
「エチオピアの男」



フェルディナント・フォン・シーラッハ

1964年ドイツ、ミュンヘン生まれ。ナチ党全国青少年最高指導者バルドゥール・フォン・シーラッハの孫。1994年からベルリンで刑事事件弁護士として活躍する。デビュー作である『犯罪』(2009)が本国でクライスト賞、日本で2012年本屋大賞「翻訳小説部門」第1位を受賞した。その他の著書に『罪悪』(2010)、『コリーニ事件』(2011)、『カールの降誕祭(クリスマス)』(2012)、『禁忌』(2013)、『テロ』(2015)、『珈琲と煙草』(2019)、Nachmittage (2022)などがある。
http://www.schirach.de/


酒寄進一

(サカヨリシンイチ )

ドイツ文学翻訳家、和光大学教授。主な訳書として、2012年本屋大賞翻訳小説部門第1位に選ばれたシーラッハ『犯罪』、2021年日本子どもの本研究会第5回作品賞特別賞を受賞したコルドン〈ベルリン三部作〉、ヘッセ『デーミアン』、ブレヒト『アルトゥロ・ウイの興隆/コーカサスの白墨の輪』、ケストナー『終戦日記一九四五』、ノイハウス『友情よここで終われ』、ザルテン『バンビ――森に生きる』などがある。