プレンティス総統率いるアスク隊に入れられたトッド。ミストレス・コイル率いるゲリラ部隊のアンサー軍に加わったヴァイオラ。想い合うふたりは、敵同士に属することになってしまった。すれ違う心、届かぬ叫び。だがそんな人間同士の争いを飲み込まんばかりの大軍が、ニュー・プレンティスタウンに迫っていた。虐げられていた土着の生き物スパクルが蜂起したのだ。カーネギー賞受賞。『怪物は囁く』の著者が贈る、驚異の3部作完結。
パトリック・ネス
1971年、米国バージニア州生まれ。カリフォルニア州で大学を卒業後、1999年に英国に渡る。一般小説としてThe Crash of Hennington、短編集Topics About Which I Know Nothingの2冊を発表。その後、YA向けの〈混沌(カオス)の叫び〉三部作に取り組んだ。第一部『心のナイフ』でガーディアン賞、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞、ブックトラスト・ティーンエイジ賞、第二部『問う者、答える者』でコスタ賞児童書部門、第三部『人という怪物』でカーネギー賞に輝いた。シヴォーン・ダウド原案の『怪物はささやく』では、カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞の同時受賞を果たした。
金原瑞人
(カネハラミズヒト )1954年生まれ。翻訳家・法政大学教授。訳書にディレイニー『魔使いの弟子』、『魔使いの呪い』『魔使いの秘密』、ブロック〈ウィーツィ・バット・ブックス〉全5巻プライス『500年のトンネル』(以上東京創元社)、ストラウド『バーティミアス』(理論社)、クラッチャー『アイアンマン』(ポプラ社)、ローズ『ティモレオン』(中央公論文庫)、シアラー『青空のむこう』(求龍堂)、アランハフト『ラスト・ドッグ』(ほるぷ出版)、ウェストール『ブラッカムの爆撃機』(岩波書店)など。エッセイに『翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった』(牧野出版)、編著書に『12歳からの読書案内』などがある。