鎌倉在住の薬膳研究家・藤野真彩と知り合った、フリーライターの俺・柚木草平。10年前、高校二年生の時に失踪した同級生の目撃情報が鎌倉周辺で増えているので調べてほしいと彼女はいう。早速、失踪事件の関係者を訪ねるが、同日夜にその人物が殺害されてしまい……。急遽、殺人事件に調査を切り替えた俺が見つけた真実とは? 円熟にして最後の〈柚木草平シリーズ〉第12弾。
樋口有介
(ヒグチユウスケ )1950年群馬県生まれ。國學院大學中退。88年、『ぼくと、ぼくらの夏』でサントリーミステリー大賞読者賞を受賞しデビュー。『風少女』が第103回直木賞候補となる。『彼女はたぶん魔法を使う』に始まる〈柚木草平シリーズ〉をはじめ、青春味溢れる作品で人気を博す。著作は他に、『林檎の木の道』『雨の匂い』『ピース』『夢の終わりとそのつづき』『捨て猫という名前の猫』などがある。