恋女房を助手に復活を期す元怪盗が、お屋敷に勇躍乗り込んだ再デビュー当日、相次ぐ番狂わせに絶体絶命となる「犯罪は二人で」など12編。解説=末國善己
「運食い野郎」
「推理クラブ殺人事件」
「隠すよりなお顕れる」
「絶命詞」
「のりうつる」
「犯罪は二人で」
「一人より二人がよい」
「闇の金が呼ぶ」
「純情な蠍」
「採点委員」
「七人美登利」
「飼われた殺意」
天藤真
(テンドウシン )東京生まれ(1915‐83)。東京帝国大学国文科卒業。同盟通信記者を経て、戦後は農業に従事し、その傍ら千葉敬愛短期大学で教鞭を執った。62年「親友記」が第3回宝石賞に佳作入選。同年『陽気な容疑者たち』が第8回江戸川乱歩賞の最終候補となり、大下宇陀児の推輓を得て翌年刊行に至る。79年『大誘拐』で第32回日本推理作家協会賞を受賞。著書に『遠きに目ありて』『死の内幕』『鈍い球音』『皆殺しパーティ』『殺しへの招待』『炎の背景』『死角に消えた殺人者』『善人たちの夜』『わが師はサタン』『親友記』『星を拾う男たち』『われら殺人者』『雲の中の証人』『背が高くて東大出』『犯罪は二人で』等。