近未来のロンドン。エネルギー危機を口実とした格差拡大政策で一般大衆は切り捨てられ、貧富の対立も激しく煽られている。生き延びるためスラムに共同体を築いた人々は、己の身体とネットワーク・インプラントを武器に高層ビル群を跳びまわり、暴力的な軍警察に対抗していた。そんな中、市民権を持つ少年ハンターはスラムの少女ウーマと出会い、ダークネットに隠された秘密をめぐる戦いにその身を投じる。ガーディアン賞候補作。
サチ・ロイド
1967年イギリス・マンチェスター生まれ。ウェールズ北西部の島アングルシーで育ち、大学進学のためマンチェスターに戻るがすぐに中退。コミックアーティスト、バンドミュージシャン、インタラクティヴメディア制作、映画会社設立など様々な経験を積む。小説家デビュー作となる長編The Carbon Diaries 2015(2008)がコスタ賞候補となり、一躍評価を高める。長編三作目となる『ダークネット・ダイヴ』(2011)はガーディアン賞候補となった。現在はロンドン東部でシックス・フォーム・カレッジの教壇に立ちつつ、小説を執筆している。
鍛治靖子
(カジヤスコ )東京女子大学文理学部心理学科卒。翻訳家。訳書に、クレメント『20億の針』、ニューマン『ドラキュラ紀元』、ビジョルド『スピリット・リング』、アシモフ『銀河帝国の興亡』他多数。