NPRベスト小説2014選出
カーカスレビュー誌ベストSF/FT2014選出
キャンベル記念賞候補作
“自分”という意識は脳の活動の副産物にすぎず、自由意志は幻想でしかないと証明された近未来。神経科学者ライダが十年前に開発に携わった新薬「ヌミナス」――大脳を物理的に再編するこの薬は、摂取者にとっての自我と現実を決定的に書き換える。ライダたち開発チームの生き残りが葬ったはずのその薬がなぜか、ふたたび流通しはじめているという……。最先端の知見を駆使して精神と心の謎に迫る、新世代の脳科学SF。
ダリル・グレゴリイ
1965年シカゴ生まれのSF/ファンタジイ作家。1988年にクラリオン・ワークショップを卒業後、1990年に作家デビュー。以来英語教師、プログラマーなどを兼業しつつ、2004年ごろから精力的に短編を発表するようになる。初長編Pandemonium(2008)で著者初のファンタジイ長編を対象としたクロフォード賞を、中長編"We Are All Completely Fine"(2014)で世界幻想文学大賞を受賞している。
『迷宮の天使』(Afterparty, 2013)著者4作目の長編であり、NPR年間ベスト小説、カーカス・レビュー誌年間ベストSF/ファンタジイ長編に選出された。
小野田和子
(オノダカズコ )1951年生まれ。青山学院大学文学部英米文学科卒業。訳書に、アシモフ『夜来たる[長編版]』、クラーク『イルカの島』、ジェミシン『第五の季節』『オベリスクの門』、ウィアー『火星の人』他多数。